声高に「米国への復讐」を口にする幹部たちも、タバコの箱の中にこっそり入れられた100ドル札の賄賂を平気で受け取る。賄賂は、ドルで要求されることもあり、「人民共和国ではなくドル共和国だ」と皮肉られる始末だ。
半世紀以上、続けてきた「反米プロパガンダ」も、ほんの数年で米ドルのマネー・パワーに敗北を喫したようだ。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。