「飢え死にしたくない」農村から逃亡者続出で北朝鮮が”逮捕作戦”

北朝鮮・平安南道の朝鮮労働党委員会が、炭鉱や農村から逃亡した若者たちを摘発して処罰するよう緊急指示を出したことが分かった。

デイリーNKの平安南道消息筋は7日、「道党委員会は、国家建設現場や道内の炭鉱、鉱山、農村などの厳しい勤務地に志願した青年たちが、現地から逃亡して行方をくらませている実態を把握し、先月末、『偽の嘆願者』を摘発し、厳しい法的処罰を科すよう指示した」と伝えた。

北朝鮮当局は、若者が炭鉱や農村などに「配置してください」と嘆願するよう促す事業を続けている。自発的な赴任を装っているが、実質的には強制であり、ワイロを使うなどして逃げ出す者が後を絶たない。

摘発対象となった志願者の親たちは、「子どもたちが前の世代のように『行けと言われれば行き、死ねと言われれば死ぬ』ほど国に忠誠を尽くせないのは、愛国心がないからではない。嘆願先へ行けば飢え死にするしかないからだ」と涙ながらに訴えているという。

今回の指示が出された背景には、厳しい勤務地への赴任を約束しながら書類だけを偽造した者、現地へ行った後に密かに戻って自宅に潜伏している者、さまざまな口実や偽の診断書を提出して勤務地を離脱した者がいるとの内部告発が道党委員会に寄せられたことがある。

(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

道党委員会はこれを「時代の流れに冷や水を浴びせる悪質な行為」と規定し、司法機関まで動員して前例のない規模で「偽の嘆願者」の一斉摘発に乗り出した。

消息筋は「道党委員会と道司法機関は、『偽の嘆願者』が現場を離脱した動機などを具体的に検討し、軽い思想教育で済ませるのか、それとも労働鍛錬隊への送致や労働教化刑などの法的処罰を科すのかを判断する計画だ」と説明した。

さらに消息筋は、「すでに書類偽造や逃亡の疑いで目を付けられている青年は数百人に上り、大規模な拘束が避けられない状況だ」と付け加えた。