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第一に、北朝鮮がゴルフ級の入手に強くこだわっていたこと。「くず鉄」貿易としては、ほかに弾道ミサイルを搭載しないフォックストロット級も取引品目になっていた。しかしロシア側関係者の証言によれば、北朝鮮の担当者は「ゴルフ級がどうしても欲しい」と言って取引再開を迫ったという。

第二に、T社の素性がある。ジャーナリストの有田芳生氏(現参院議員)は『週刊文春』の同年2月3日号掲載の記事で、同社が統一教会の系列企業であることを明かしている。

記事によれば、同社の代表と3人の役職員は全員がソウルでの合同結婚式に参加した男性たちだという。ちなみに、長らく「反共」を唱えていた統一教会の文鮮明教祖は、1991年に電撃的に訪朝。金日成主席と会談し、核開発問題で孤立を深める北朝鮮のスポンサー的存在となっていた。

そして最後に、かねてからT社と取引があり、この潜水艦取引を主導した北朝鮮企業の名前である。