中国と北朝鮮の貿易が拡大傾向にある中、中国当局による通関手続きの厳格化により、取引構造に変化の兆しが出ている。従来見られた個人主導の小規模取引は後退し、資金力と資格を備えた企業による「公式貿易」が主流となりつつある。

北朝鮮のデイリーNK内部情報筋が6日までに伝えたところによると、中国税関は昨年後半以降、対北朝鮮輸出に際し正式な売買契約書や付加価値税の領収書提出を義務化するなど、規制を大幅に強化した。従来は正規貨物に小口物資を紛れ込ませるといった「抜け道的」な輸出が黙認されるケースもあったが、現在は必要書類を欠けば通関自体が認められない状況という。

もともと対北朝鮮貿易には輸出入権限の登録や税関申告、税務記録の提出など複数の要件が求められていたが、今回の措置により通関段階の審査も一段と厳格化された。これにより、対北朝鮮ビジネスの参入障壁は大きく引き上げられたとの見方が出ている。

こうした措置の背景には、北朝鮮との取引拡大を見据えつつ、貿易の透明性を高め、統制力を強化しようとする中国側の意図があるとみられる。規制強化に伴い、個人業者による取引は減少し、国家機関や企業が主導する取引の比重が顕著に高まっている。

さらに、輸送コストの上昇も構造変化に拍車をかけている。現在、平日ベースで鉄道貨車約40両分、トラック約50台分の物資が北朝鮮に向かっているとされるが、トラック1台当たりの輸送費は1300元(約28万円)から最大8000元(約175万円)に達する。こうした負担は資金力に乏しい個人業者にとって大きな障壁となっている。

その結果、かつて対北朝鮮貿易で利益を上げていた中国の個人商人は、貿易拡大局面にもかかわらず市場参入に慎重姿勢を崩していない。関係者は「機会自体は増えているが、手続きの複雑化で小規模取引は成立しにくくなった」と指摘し、「今後は資格と資金を兼ね備えた企業による大規模取引中心へと、北中貿易の構図が変わっていく」との見方を示している。