約5万世帯が暮らすとされる同地区では、入浴施設も不足している。自宅で簡単な入浴はできるものの、サウナなどを利用するには遠方までバスで移動する必要があるとされる。

一方で、近くには大同江ビールの飲食施設やミシン修理サービス、コンピューターゲーム施設など、派手なサービス施設が整備されている。しかし住民は「金のない一般住民にはほとんど利用できない施設だ」と語る。

住民の間では「元の住居より不便になった」との声も少なくない。

和盛地区では最近、第5段階の建設も始まったが、住民が切望する生活サービス施設の整備計画はほとんど伝えられていない。内部住民は「当局は『人民第一』を掲げるが、実際には見栄えを整えることばかり優先している」と批判する。

2019年に北朝鮮を脱出した平壌出身の脱北者は、過去に建設された光復通りや楽浪通りでも同様の問題があったと指摘。「外見は立派でも学校や保育施設、市場、交通など生活インフラが整うまでに10年近くかかった」と述べた。

そのため、新しい街が完成した直後には、入居を避けて市中心部に戻ろうとする住民が少なくなかったという。

和盛地区は金正恩政権が誇る首都再開発の象徴とされるが、住民の実生活との間には大きな隔たりがあるようだ。