実際、2017年に米朝関係が極度に緊張した際には、地方住民から「米国が(金正恩氏らのいる)平壌を爆撃してくれたらいいのに」という声まで聞かれたとされる。体制の内部から変化を起こすことが不可能に近いと感じている人々にとって、外部からの衝撃こそが現状を変える唯一の手段に映るのだ。
(参考記事:「泣き叫ぶ妻子に村中が…」北朝鮮で最も”残酷な夜”)今回のイラン情勢もまた、そうした思いを呼び起こした可能性がある。核兵器を“体制の盾”として誇示してきた北朝鮮だが、核問題を抱える国家が実際に軍事攻撃を受けたという事実は、住民に強い印象を残したはずだ。
もちろん、北朝鮮国内でこうした感情が公然と語られることはない。国家の監視は依然として厳しく、体制批判は厳罰の対象となる。それでも沈黙の社会の奥底では、不満と絶望が静かに積み重なっている。
「イランは良いな」北朝鮮から独裁者排除をうらやむ声
米軍の空爆でイランの最高指導者アリ・ハメネイ師が死亡したとの報道は、北朝鮮住民の間に驚きとともに、独裁的指導者の排除を「うらやましい」と受け止める複雑な感情を呼び起こしている。
