現代の航空作戦では、ステルス機が単独で突破するのではなく、電子戦機が防空システムを妨害し、攻撃機の侵入ルートを確保する形が主流となっている。グラウラーはその中心的役割を担う機体で、攻撃機編隊の前後を飛行しながらレーダーやミサイル誘導を混乱させる。
イランはロシア系や中国系技術を取り入れた防空システムを配備しているとされ、作戦前には激しい抵抗も予想されていた。しかし、攻撃開始後の防空網の反応は限定的だったとの報道もあり、電子戦の効果が大きかった可能性が指摘されている。軍事専門家の一人は「ステルス機が“見えない攻撃者”なら、グラウラーは“見えない脅威”そのものだ。敵の目と耳を奪うことで、非ステルス機まで含めた大規模攻撃を成立させた」と分析する。
今回の作戦は、航空戦において電子戦が果たす役割の大きさを改めて示したとも言える。ステルス機や精密兵器の陰で、防空網を麻痺させる電子戦機が現代戦の勝敗を左右する存在になりつつある。今回の対イラン攻撃は、その現実を如実に示した事例となった。
