米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦を受け、中国製防空システムの実戦性能に対する懸念が国際的に広がっている。特に、イランが導入しているとされる中国製長距離地対空ミサイルHQ-9が、米イスラエルの大規模攻撃をまったく阻止できなかった可能性が指摘が、中国を含む海外メディアの報道でなされている。
米軍とイスラエル軍は先月末からイランの核施設や軍事拠点に対する大規模攻撃を実施した。巡航ミサイルや無人機、電子戦を組み合わせた作戦により、イランの防空網は比較的短時間で機能を大きく失ったとされる。欧米メディアは、複数の防空レーダーや指揮施設が早期に無力化され、制空権が急速に失われた可能性を伝えている。イランの防空網は、ロシア製のS-300をはじめ、中国系技術や国産システムを組み合わせた構造とされる。
その中で中国製のHQ-9は長距離防空の中核の一つとみられてきたが、今回の攻撃では核関連施設や軍事基地への空爆を十分阻止できなかったとの分析が出ている。これにより「電子戦やスタンドオフ兵器を組み合わせた西側の攻撃に対し、中国系防空システムがどこまで耐えられるのかという疑問が改めて浮上した」と韓国の軍事情報筋は指摘する。(参考記事:中国の最新鋭空母に「深刻な欠陥」 国内メディアが異例の指摘)
一方で、防空ミサイル単体の性能だけで失敗を説明するのは早計だとの見方も強い。イランの防空網はロシア製、中国製、国産システムを混在させた構造で、レーダーや指揮統制の統合が十分でなかった可能性が指摘されている。防空システムはネットワークとして機能するため、指揮施設や通信網が破壊されればミサイル部隊が能力を発揮できないとの分析だ。
それでも今回の戦闘が、HQ-9の海外輸出に力を入れてきた中国防衛産業に与える影響は小さくないとの見方が広がっている。
