「逃げたら即決処刑」北朝鮮ハッカーたちの過酷な境遇

国際社会の制裁網を迂回し外貨を確保しつつ、敵国の防御能力を低下させる北朝鮮の戦略意図が色濃く反映されている。

彼らは海外で日常生活すら厳格に監視され、独断で行動したり権利を主張したりする余地はない。脱北防止のための制裁措置は極めて苛烈で、先述の現場処刑規定に加え、残された家族も処罰されるとの恐怖が徹底的に植え付けられている。常に監視員と行動し、通信も完全に統制されるという。

派遣期間が終了すると“再教育”のため本国へ強制帰還させられ、任務中のミスや逸脱行為があれば再派遣は禁止。家族にも不利益が及ぶとされる。派遣前には思想教育が集中的に行われ、金日成・金正日主義や情報秘匿の方法、敵国文化の排除などが繰り返し叩き込まれる。

恐怖と統制に縛られた体制下で、北朝鮮のIT要員は事実上「命令を実行する機械」として扱われ、外貨稼ぎの手段へと貶められている。

危険な任務を強要し、従わなければ家族を処罰する行為は明白な人権侵害だ。脱北を試みた者を即時処刑するという規定は、国際人権規範を根本から否定する“国家による恣意的殺害”そのものだ。

(参考記事:北朝鮮の15歳少女「見せしめ強制体験」の生々しい場面