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この工場のように、2000年代以降、まともな生産ができていない企業は、北朝鮮に数多く存在する。

(参考記事:北朝鮮の新設工場が壊滅…金正恩「電力不足」理解せず

北朝鮮は、自国民を企業や組織に所属させ、そこを通じて配給を行うと同時に、監視やコントロールも行ってきた。中国は、1990年代から利益を生まない国有企業の解体に手を付けたが、2025年の北朝鮮は、逆にそれを強化しようと無駄な努力を繰り返している。

そのために「アメとムチ」の「アメ」として、給料を10倍以上に引き上げたが、それが一因となって激しいインフレが起き、賃上げ分が帳消しとなってしまった。

このように、計画経済に戻そうとして経済活動への統制を強めると、国民が生活に困り、強い不満を持つ。だからといって、市場経済化に歯止めをかけなければ、豊かになって権利意識の強い中間層が増え、三代世襲の金正恩体制を揺るがしかねない。金正恩氏は、そんなジレンマと闘っているのだ。