北朝鮮の若い女性が堕ちていく「強毒性」の性売買行為

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮当局は、コロナ禍から市場に対する締めつけを強化している。多くの人が市場での商売で現金収入を得て暮らしを営んできたが、締めつけに伴い、生活に行き詰まる人が増えている。

国内最大級の市場を擁する咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)や金策(キムチェク)では、売春を行う女性が増えていると、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

(参考記事:「お先真っ暗」北朝鮮国民の大部分が収入を失う危機

昨年11月18日、清津市内で餅屋を営んでいた30代の女性が売春の疑いで摘発され、市の安全部(警察署)に勾留されていることがわかった。

情報筋によると、この女性は2歳の息子を抱えて、5年前に餅屋を始めた。しかし、最近は商売上がったりで、このままでは息子を飢えさせてしまうほど追い詰められ、やむを得ず路上に立ったという。

(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

当局は、市場の営業時間を1日3時間に制限し、穀物、海産物、電化製品などの販売を禁止した。また、市場使用の許可が得られるのは、45歳以上の女性に限る。それより若い女性たちは、路上で商うしかない。

現金収入を得られなくなった多くの人が生活に困窮し、イナゴ商人と呼ばれる露天商になるが、これに対する取り締まりも頻繁に行われる。儲けは非常に少ない上に、安全員が姿を現せば品物を担いで逃げなければならないため、幼子を連れての商売は非常に困難だ。

そんな状況で、彼女は生計型売春に追い込まれてしまったのだ。

(参考記事:「日本の統治下より酷い」北朝鮮警察学校の”悪の教典”

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

商人の中でも、食品、衣類、バッグ類を売っていた人たちの困窮が非常に激しく、初期投資が必要ない売春に走る女性が大幅に増加している。さらに深刻なのが、本来は恥じらいの多い北朝鮮の女性たちに「勇気」をもたらす「覚せい剤」のまん延だ。また、性病のリスクも高い。日々の糧を得るために、彼女らはとてつもない「強毒性」の社会悪に身をさらしているのだ。

(参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

今回の噂を聞きつけた市民の間では同情が広がっている。生活に困っているのは皆同じで、幼子を抱えた母親がなぜ売春をするまでに追い込まれてしまったのかと残念に思っているとのことだ。

それは情報筋も同じだ。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

「北朝鮮では、女性たちが稼げないと家族全員が飢え死にに追い込まれる。危機的な状況に陥れば手段を選ばず必死に稼がなければならず、売春をしているのだろう」
「食べ物が底をつき、餓死しそうなのに座して死を待つわけにはいかないだろう」

だが当局は、売春を非社会主義的行為(風紀の乱れ)とみなし、取り締まるばかりだ。金策市安全部は、12月だけで10人の若い女性を摘発した。取り締まりを繰り返したところで、生活困窮者が減るわけもなく、路上に立つ女性は増える一方だ。

取り締まり一辺倒の当局のやり方に、市民は怒りの声を上げている。

「売春でお金を得るしかない人は、取り締まりで処罰されても、出てきたらまた売春をする」
「取り締まりより重要なのは、命の危機に直面している人々が生活できるように国が対策を取ることだ」