北朝鮮では今年に入って大幅な賃上げが行われたが、一般の労働者はもちろん、医師や教師ですら受け取れていないケースが多い。それでも、金与正軍団にはきちんと支払われている。また、国営米屋である糧穀販売所では、1日に10日分の穀物しか買えないことになっているが、金与正軍団向けの特別入荷が存在すると言った具合だ。

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移動が多いと言う理由で、通常は記者や作家にしか発行されない「四半期旅行証明証」を受け取っている。一般国民は、隣の市や郡に行くだけでも一苦労だが、金与正軍団は全国のほとんどの地域に自由に行くことができる。

また、水害復旧などの現場でも、派手な化粧をして歩いている。一般国民は、不快感をあらわにしている。

1980年代以前は、伝統的な芸能人に対する蔑視感からか、「あんなものは仕事をしたがらない連中がやるもの」と軽蔑されていたが、今ではカネとコネのある家の子女が行きたがる職場となっている。選考過程において黒いカネが飛び交っていることは、想像に難くない。

(参考記事:女性芸能人らを「失禁」させた金正恩の残酷ショー

勤労動員の免除も特典のひとつだ。北朝鮮国民なら道路や建物の建設などに頻繁に動員されるが、金与正軍団なら「党の思想の宣伝を任されている」との理由で免除される。また、長期間現場に派遣され、劣悪な条件の下で給料ももらえずひたすら働かされる「突撃隊」への参加対象からも除外される。

人々が空腹に耐えながら汗水垂らして働く一方で、金与正軍団は歌って踊るだけの楽な仕事と認識され、人々から冷ややかな目で見られている。