北朝鮮の金正恩総書記とロシアのウラジミール・プーチン大統領は19日、平壌で主脳会談を行い、両国の「包括的な戦略的パートナーシップ関係に関する条約」に調印した。朝鮮中央通信が伝えた。
調印後の共同記者会見で金正恩氏は「条約が締結されたことで両国関係は同盟関係という新たな高い段階に上がり、これによって共通の利益に合致するように地域と世界の安定環境をしっかり守る」ことができるようになったと評価。
続けて「強力なこの条約は両国人民の根本利益を増進させ、守るための非常に建設的かつ展望的であり、徹底的に平和愛好的かつ防衛的な条約として、支配と隷属、覇権と強権のない多極化の新世界の創設を加速させる推進力になるということを信じてやまない」と強調した。
プーチン氏は、「朝鮮半島地域の緊張激化の基本原因は韓国と日本など、朝鮮民主主義人民共和国を敵視する国々の参加の下で軍事訓練の規模を拡大し、度合いを強める米国の対決政策にある」と指摘。
そのうえで「条約はこの文書の締約国のうち、一方が侵略を受ける場合、相互支援を提供することも予見している」と述べ、「ロシア連邦は条約による朝鮮民主主義人民共和国との軍事技術協力を排除しない」と言明した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面同通信が公開した条約の詳細によれば、条約では「一方に対する武力侵略行為が強行されうる直接的な脅威が生じる場合、双方は一方の要求に従って互いの立場を調律し、当面の脅威を除去することに協力を相互提供するための可能な実践的措置に対して合意する目的で二国間協商ルートを遅滞なく稼働させる」と定めている。
また、「双方のうち、一方が個別的な国家、または複数の国家から武力侵攻を受けて戦争状態に瀕する場合、他方は国連憲章第51条と朝鮮民主主義人民共和国とロシア連邦の法に準じて遅滞なく自国が保有している全ての手段で軍事的およびその他の援助を提供する」と規定。
さらに「各一方は、他方の自主権と安全、領土の不可侵、政治、社会、経済、文化制度を自由に選択し、発展させられる権利と、他方のその他の核心利益を侵害する協定を第3国と締結せず、そのような行動に参加しない義務を負う」としている。