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北朝鮮には各地に「特閣」と呼ばれる施設がある。金正恩総書記一家だけが利用できる豪華別荘のことだ。金正恩氏の身辺警護を行う護衛司令部が施警備を行っているが、思想、忠誠心において「一点の曇りもない」人材が隊員として選ばれる。

ところが、彼らが良からぬ行動をしているとの通報が住民から相次ぎ、処罰が下されたと、デイリーNK内部情報筋が伝えた。

北朝鮮北東部・鏡城(キョンソン)にある特閣を警備している護衛司令部879旅団所属の保衛部(秘密警察)機関部の部長は規律に反し、私服姿の部下2人を連れ出して自宅に泊まらせた。部下2人は、本来出席すべきである「政治上学」(思想教育)や訓練に、上官の「お使い」に行ったとの理由でサボっていた。2人が泊りがけで何をしていたのかについて、情報筋は触れていない。

また、部下から没収したり、外部で調達したりした外国の映像を頻繁に見ていたとの通報も入った。命がけで金正恩氏を守るべき隊員が、韓流ドラマにハマっていたのである。

旅団の参謀部と政治部は、この案件を極めて重大視し、平壌の護衛司令部指揮部に問題を正式に提議した。当該の部長は現在、保衛局検察所に勾留され、取り調べを受けている。部下2人は、外国の映像を視聴し、流通させた容疑で、保衛局保衛部労働連隊(営巣、軍内の刑務所)に送られた。

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規律を取り締まるべき保衛部の規律が緩んでいたことを深刻に受け止めた護衛司令部は、旅団の保衛部長など保衛部のトップを全員交代させ、規律を立て直し、強化しようと対策に乗り出した。

新たに赴任した保衛部の幹部に、旅団のすべての軍官(将校)、兵士やその家族が外国の文物に触れていないかを徹底的に調査させ、報告するよう指示を下した。また、今後同様の事案が再発すれば、トップの交代程度では済ませないと強く警告した。

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879旅団の不祥事はこれが初めてではない。2021年春、旅団内で銃乱射事件が起こり、特閣の警備から外されそうになったが、金正恩氏に赦され、なんとか息を吹き返した。

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警備の乱れに、金正恩氏は少なからずショックを受けたかもしれない。そして韓流根絶のために、全国民を対象にして取り締まりを強化する可能性もある。しかし、取り締まりは数十年に及ぶいたちごっこになっている。