ウズベキスタン人にボコボコにされた北朝鮮人に、ロシア人が味方したが…

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2010年に行われたロシアの国勢調査によると、沿海州のウラジオストクに住むウズベキスタン人は7109人、アルメニア人は1635人、アゼルバイジャン人は1252人となっている。ロシア人が47万人と圧倒的多数を占めるが、70の国籍、民族の人が暮らしており、観光客のあまり来ない第2の繁華街、フタラヤ・レチカーの路上では非常に頻繁に見かける。

その中には、上述の数字には含まれていないが、数千人に及ぶと見られる北朝鮮人もいる。北朝鮮国民の新規雇用は、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁で禁じられているが、ロシアは、制裁に反して北朝鮮労働者を積極的に雇入れ、労働力不足の激しい沿海州やシベリア、ウクライナとの前線に近い地域や占領地域に送り込んでいる。

(参考記事:北朝鮮、ウクライナ東部に軍・警察所属の労働者派遣へ

外国人労働者の間ではトラブルがしばしば発生する。今回事件が起きたのは、ウラジオストクからはるか内陸に入ったシベリアのザバイカリエ地方の中心都市、チタでのことだ。

ロシアのデイリーNK情報筋によると、事件が起きたのは2月17日の夜のことだ。チタの建設現場のそばで、北朝鮮人労働者の住む宿舎の前を、泥酔したウズベキスタン人労働者6人が通りかかった。

(参考記事:【動画】北朝鮮労働者とタジキスタン労働者、ロシアで大乱闘

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彼らは、単に外でタバコを吸っていただけの北朝鮮人労働者に、何の理由もなく殴りかかった。

すると、宿舎から10人もの北朝鮮人が飛び出してきて大乱闘となった。さらに、近隣の別の建設現場で働く5人の北朝鮮人労働者も加勢した。ウズベキスタン人は、この5人のうち4人に激しく暴行を振るい失神させてしまった。さらには、宿舎にあった工具を破壊するに至った。

(参考記事:北朝鮮の高校不良グループ「学校対決」大乱闘は今

一方で、最初に宿舎から飛び出してきた10人は、4人がやられているのをただ見守るだけだった。

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「彼らはカネを稼ぐだけ稼いで後は無事に帰国することだけを考えていて、(喧嘩したら)会社からの処罰と、ウズベキスタンからの報復が怖かったようだ」(情報筋)

遅れて出動したロシア人の警察官は双方を引き剥がして乱闘をやめさせた。そして、大怪我を負った4人を病院に搬送する措置を取った。

翌日、このことを知ったロシア人の現場責任者は、ウズベキスタン人が勤める建設会社を訪ね、賠償金を支払うよう要求した。監理企業や領事館ではなく、ロシア人が仲裁に立つのは異例のことだ。

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「このロシア人は普段、作業終了時間になると、現場で砂の山や資材など工具の整理整頓をきれいにし、撤収する北朝鮮の労働者たちに対して普段から良い印象を持っていたので、まるで自分のことのように強力に北朝鮮の労働者が受けた被害に対する補償を要求した」(情報筋)

結局、ウズベキスタン労働者が所属する作業所側が20日、失神して病院に運ばれた北朝鮮の労働者4人に対する被害補償金として合計80万ルーブル(約135万円)を支払ったという。しかし、被害者には一銭も手渡されず、すべて彼らが所属する北朝鮮の会社に持っていかれた。

(参考記事:編集部にある北朝鮮男性から届いた「命がけのSOS」

会社側は、補償金を病院代と働けなかった期間の計画(ノルマ)の分、会社の運営費に使うと通告した。4人は、補償金を得られず、治療もまともに受けられないまま、再び現場に追いやられ、今月のノルマ達成を強いられることに憤慨している。

他の労働者も、「ひどく殴られたのに、補償金はお上に横取りされた」、「抗議もできずに、国家計画達成のために黙って稼げというのはおかしい」と怒りの声を上げている。

一方、今回の騒動後、会社側は労働者に「誰かに殴り殺されたとしても殴り返すな。すべての行為は国の対外イメージの毀損することに繋がることを肝に銘じよ」と伝えたとのことだ。