鎌で農民を切り裂き殺害…飢える北朝鮮で猟奇事件

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北朝鮮北部の両江道(リャンガンド)は、標高が高く夏でも涼しいため、ほとんどの地域で稲作が行われていない。主要な作物と言えば、ジャガイモ、大豆、トウモロコシ、アワ、燕麦などだ。

地域住民の多くが、家の裏庭や近隣の山の中腹にトゥエギバッ(小規模農地)を所有しているが、収穫期を迎えて、盗難が多発している。道内の金正淑(キムジョンスク)郡では、畑の持ち主が窃盗犯に襲われ死亡する事件が起きた。

現地のデイリーNK内部情報筋によると、事件が起きたのは今月初め。被害者は50代男性のキムさんで、町外れの10坪あまりのトゥエギバッに、トウモロコシと大豆を植え、収穫を間近に控えていた。

夜11時ごろ、穀物を盗みに来た泥棒2人と出くわした。最初は何も盗らずに帰るように促したが、泥棒はキムさんがひとりでいるのを見て襲いかかり、鎌でキムさんの体を複数個所にわたり切り裂いて殺害。事切れたのを確認してから、ゆうゆうと作物を盗んで逃走したとのことだ。

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道内では、闇夜に乗じて、山奥などひとけの少ないところにあるトゥエギバッを襲撃し、作物を盗む事件が多発しているが、大切な作物を盗まれまいと夜通しで警備に当たっていた持ち主ともみ合いになる事件も多数発生している。

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金正淑郡安全部(警察署)は、捜査に乗り出す一方で、夜間の移動統制を強化したが、窃盗事件のあまりの多さに、手が追いつかないという。

「秋の収穫の時期が来るたびに、トゥエギバッを持った人たちは、泥棒との戦争を繰り広げることになる。それで泥棒に殴られて怪我をしたり亡くなったりする事件が少なからず発生している」(情報筋)

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コロナ前まで、泥棒は人の気配がすれば逃げていたものだが、コロナ鎖国で食糧不足が深刻になり、命がけで作物を奪いに来るようになり、凶器も携帯するようになったという。

「夜になると、あちこちから泥棒を追い払う叫び声が聞こえる」(情報筋)

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