「軍人虐殺、失禁する人が続出」金正恩”コロナ対策”の残酷ショー

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北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会政治局は15日、前日に続いて新型コロナウイルス対策の非常協議会を招集。金正恩総書記はその席上、国民への医薬品供給が停滞しているとして、内閣と保健医療部門の担当者、中央検察所長らを厳しく批判した。

金正恩氏は「国家が調達する医薬品が薬局を通じて住民に適時に、正確に行き届いていない」として、内閣と保健医療部門を批判。

また、「全国的に医薬品取扱および販売で現れているいろいろな否定的傾向を正すことができずにいる」として、「厳しい時局にさえ何の責任も、呵責も感じず、何の役割も果たせない中央検察所所長の職務怠業、職務怠慢行為を辛辣に叱責した」という。

これを受け、各担当者と中央検察所長はさぞや肝を冷やしたことだろう。最近の金正恩氏はやや落ち着いているが、数年前なら間違いなく処刑されていたはずだ。

実際のところ、「落ち着いた」と言えるのは最高幹部たちに対してのみであり、庶民や末端の官僚、軍人たちには無慈悲な重罰が下されている。北朝鮮国民はこの間、新型コロナウイルスそれ自体よりも、国家の防疫ルールに違反して処罰されるのを恐れてきたと言える。

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そして、そうした恐怖心を植え付けたのが、金正恩氏の「残酷ショー統治」なのだ。

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たとえば2020年8月、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の穏城(オンソン)郡で、複数の軍関係者が処刑された。この地域では、国境の川を渡って中国へ脱北した地域住民が再び故郷に戻り、逮捕されていた。

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この件について報告を受けた金正恩氏は激怒した。新型コロナの流入を防ぐために国境を徹底的に封鎖するよう厳命していたのに、それが守られていなかったからだ。

その結果、件の脱北者が越境した地点を受け持っていた国境警備隊の中隊長、政治指導員、責任保衛指導員、軍保衛部封鎖部長、軍機動巡察隊長、そして脱北者本人が所属する職場の党委員長と支配人が処刑された。この情報を伝えた韓国紙・東亜日報のチュ・ソンハ記者は、処刑の場面を次のように描写している。

「そして彼らの処刑場面を、当該地域の幹部たちに参観させた。どれほど残忍に処刑されたのか、参観者の中からは気絶する人、失禁する人が続出した。北朝鮮でよく行われる、数百発の銃弾を浴びせ、人間の原型すらとどめないやり方だったのだろう」

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しかし、処刑された軍人や党官僚にしても、故意に防疫ルールを破ったわけではない。どれほど警戒しても、広い国境地帯を完璧な監視下に置くのは不可能に近い。

防疫ルールは本来、人々の生命を守るためにあるのであって、単なる落ち度でそれに抵触した人々を殺すなど本末転倒もよいところだ。

ここへ来てコロナ感染を認めた北朝鮮で今後、どのようなことが起きるか見守る必要がある。