血書で「復讐」誓った北朝鮮兵士ら、軍当局が摘発

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朝鮮人民軍(北朝鮮軍)で最も許されない行為の一つが、私的組織の結成だ。たとえ小さなものであっても、金正恩体制に異を唱える「宗派行為」(分派行為=反政府活動)とみなされ、対象者は極刑に処される。

クーデターの芽を徹底して摘んでおくためだ。

たとえば1993年、旧ソ連のフルンゼ軍事大学留学組の軍高官らが、クーデター謀議を疑われ処刑されたり政治犯収容所に送られた事件が有名だ

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そして先月8日、朝鮮人民軍の保衛局(秘密警察、以前の保衛司令部)は、私的な組織とみなされる行為を行った兵士4人を逮捕した。

デイリーNK内部情報筋によると、中国国境にほど近い、平安北道(ピョンアンブクト)東林(トンリム)に駐屯する125軽歩旅団の20代兵士4人は、昨年軍に入ったばかりだが、新兵訓練中に「血書」を書いた。

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その動機は、軍での生活で困難なことがあったり、イジメに遭ったりしたら力を合わせて加害者を懲らしめようと、義兄弟の関係を結ぼうというものだった。4人はその誓いの証として、「復讐」の血書をしたためたという。情報筋は言及していないが、何らかのイジメ被害に遭い、「被害者の会」のような感じで互助組織を作ったのだろう。

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ところが、これがバレて4人は保衛局に緊急逮捕された。過酷な拷問を受け、うち2人は死亡したというのだから、ただ事ではない。具体的にどのような拷問を受けたのかはわかっていないが、壮絶なものだったことは想像に難くない。

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軍に入って2年目の兵士、それもたった4人が、金正恩体制に歯向かってクーデターを起こすことなど考えられない。

「今回逮捕された125軽歩旅団所属の軍人の『復讐血書』は、政治的な意味ではなく、上官の暴行に対抗する幼い兵士の児戯のような行為に過ぎない」(情報筋)

かつて北朝鮮軍内には、より本格的な義兄弟組織があったが、それに比べれば他愛のないものだ。それでも保衛局は大騒ぎしており、拷問を生き抜いた2人に対する取り調べを続けている。取り調べ終了後、私的組織の結成を放置したかどで、旅団の指揮官に対しても責任追及がなされると情報筋は見ている。

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