北朝鮮警備隊が中国人に無差別銃撃…国境地帯で死者続出

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北朝鮮の社会安全省(警察庁)は昨年8月、国境地帯、緩衝地帯に無許可で近づく者には無条件で銃撃すると布告を下した。これは、新型コロナウイルスの国内流入防止に神経を尖らせている金正恩総書記の指示に基づくものだ。

脱北や密輸目的で国境に近づいた人はもちろんのこと、知らずに近づいてしまった人まで無慈悲に撃ち殺している。

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そんな「コロナ・パラノイア」とも言うべき北朝鮮当局の対応によって、中国人までが犠牲になる事態が起きてしまった。

デイリーNKの対北朝鮮情報筋によると、事件が起きたのは先月末のこと。中国・吉林省の長白朝鮮族自治県の十二道溝村と十三道溝村の中間地点から、国境を流れる鴨緑江を越えて北朝鮮に入ろうとした中国人が、北朝鮮の国境警備隊に射殺された。

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密輸目的で川を渡ろうとしていたこの中国人を発見した国境警備隊員は、空に向けて威嚇射撃を行った。しかし、戻ろうとしなかったため銃撃。頭部と腕を撃たれ死亡したとのことだ。

同様の事件は昨年5月にも起きていた。同じ長白朝鮮族自治県から川に渡って北朝鮮の恵山(ヘサン)に入ろうとした50代の中国人男性が、北朝鮮の国境警備隊に撃ち殺されている。

しかし、中国当局は誰彼問わず銃撃を行うという北朝鮮の方針に反発。両国間の交渉の結果、中国人に対して無差別、無分別に銃撃して人的被害が発生した場合、北朝鮮から輸入する商品の関税を3倍にし、北朝鮮側が被害者に賠償金を支払うことで、昨年9月に合意している。

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今回は、事前の威嚇射撃があったことから、「無差別、無分別な銃撃」には当たらないかもしれないが、中国側の反応について情報筋は触れていない。

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この地域の中国人の間では「中国は北朝鮮人が越境してきても銃撃しないのに、北朝鮮は無条件で人を撃ち殺そうとする」と、北朝鮮への反感が高まっていると情報筋は伝えた。

一方、国境地帯から遠く離れた、韓国に程近い黄海南道(ファンヘナムド)の海州(ヘジュ)沖で違法操業を行なっていた中国漁船に対して、北朝鮮の警備艇が実弾射撃を行い、それを逃れようとした漁船が岩礁にぶつかり沈没する事故が起きている。

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船には7人が乗り込んでいたが、北朝鮮は救出作業を一切行わず、結局乗組員全員が死亡したとのことだ。

北朝鮮は非常防疫指針で、陸上、海上、空中を問わず、すべての空間を封鎖し、外部の人間との接触を厳しく禁じていることから、事故を目の当たりにした警備艇の乗組員も、処罰を恐れて手出ししなかったものと思われる。

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