北朝鮮の対韓国宣伝サイトである「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」は6月28日付の記事で、南朝鮮の執権者――つまりは文在寅氏に対して「奇怪な醜態」などと悪罵を浴びせている。このときは名指しこそ避けたが、北朝鮮メディアが実名を挙げて罵詈雑言を並べるようになるのは時間の問題だったかもしれない。
(参考記事:「思考と精神がマヒしている」文在寅批判を強める金正恩氏)かろうじてそうなっていない理由は他でもない、6月末に金正恩氏とトランプ米大統領との「板門店対話」が電撃的に実現し、場所を提供した文在寅氏も加え、3者で仲良く写真に収まる一幕があったからだ。金正恩氏も、これをきっかけに米朝対話が進展するならばと、いったんは文在寅非難の矛を収めたのだろう。
ところが、北朝鮮が嫌悪してきた合同軍事演習を米韓が強行する運びとなり、金正恩氏の堪忍袋は再び緒が切れそうになっているのかもしれない。
そもそもなぜ、金正恩氏は文在寅氏を見切っているのか。