韓国政府の戦略はこうした米国の憂慮を逆手に取り、つまりはGSOMIAを「人質」にして、米国に仲裁を押し付けようというものだろうが、果たしてうまく行くのだろうか。
テキサス州にあるアンジェロ州立大学の教授で、米国防情報局出身のブルース・ベクトル氏は米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対し、たとえGSOMIAを人質にしたとしても、米国が韓国の思惑通りには動かないと指摘している。
ベクトル氏は、「北朝鮮の弾道ミサイルの軌跡が日本の領海や上空を通る以上、3カ国間の情報共有は、北朝鮮の脅威を総合的に評価するために非常に重要だ」と説明。「米国としては、このような情報共有体制の維持のためにも、(日韓の)どちらか一方の側に付くような形での仲裁には動きにくい」と語っている。
(参考記事:「考え方が違う」米国から文在寅氏に不快感…北朝鮮もダメ出し)