北朝鮮がかつて、国家ぐるみで覚せい剤を生産し、日本などに密輸してきたのは良く知られた事実だ。
ただ、北朝鮮当局は日本などの取り締まり強化を受けてこうした活動から撤退。その後、国内での薬物乱用が度を越してきたこともあり、金正恩氏は覚せい剤などの密売・乱用に公開銃殺などの極刑をもって臨み、徹底的に取り締まっている。
しかしその一方、国際社会からの経済制裁下での苦境の中、手っ取り早い外貨稼ぎの手段として、薬物の密輸が再び脚光を浴びているとの情報もある。今回、中国当局が摘発した事件が、国家保衛省の一部要員の暴走によるものなのか、組織ぐるみのものなのかは今のところ不明だ。だが、仮に組織ぐるみであったとするなら、同省の性格を考えたとき、国家ぐるみと同等の重大性を帯びてくると言うこともできるだろう。