消息筋は、こうした反応は、以前なら考えられなかったものだという。心の中でそのように思っていたとしても、うっかり言葉にすれば、どのようにして当局に伝わるかわからないからだ。だが、「最高指導者による粛清が度を越したため、これまで息を殺し恐怖に震えていた幹部たちも、そろそろ我慢できなくなっているように見える」と消息筋は語っている。
確かに、軍幹部に限らず、愛人を囲うぐらいのことは、平壌の権力者なら誰もがやっていることだ。朝鮮労働党の幹部などはもっとひどいことをやっているが、それだけの理由で処刑されるというのも珍しいことだ。
(参考記事:「幹部が遊びながら殺した女性を焼いた」北朝鮮権力層の猟奇的な実態)北朝鮮軍の幹部らは、かつて金正日総書記が主導した「先軍政治」の下で、国内最強の権力をふるった経験がある。しかし、金正恩政権になって以降はすっかり党の後塵を拝しており、その立場の落差は著しく大きい。軍幹部らが胸の内に大きなストレスを秘めていても、まったくおかしくはないのだ。
(参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」…残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認)