労働鍛錬隊とは、罪状が比較的軽い犯罪者を収容する刑務所だが、最近では、保安署(警察署)が予審(起訴前の段階)を始める前に被疑者を収容する施設、つまり拘置所としても使われている。
30代女性のBは、覚せい剤を製造し中国に密輸する組織に加担した容疑で逮捕されたが、本格的な取り調べを控え、労働鍛錬隊に一時的に収容されていた。Bは「この女性は誰が見てもずば抜けて美しく、目立つ容貌の持ち主」(情報筋)だという。
この覚せい剤事件を巡っては、有力者の関与が取り沙汰されており、保安署は事件の処理を巡って頭を痛めていたが、捜査が進み、Bの取り調べを行うことになった。ところが、労働鍛錬隊の中にBの姿がなかったため、大騒ぎになった。