「殴られ、妊娠中絶を強制された」なお続く北朝鮮の国民虐待

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パクさんは中国、韓国、米国に姉の北朝鮮への強制送還を止めるよう求めている。しかし、韓国国内では脱北者の強制送還を含む人権問題についての関心は低いままだ。

昨年10月、4歳男児を含む脱北者10人が中国当局に逮捕された時には、先に脱北して韓国に暮らしている父親が韓国メディアに出演し、救出を訴えた。しかし、さしたる世論の関心を集められないまま、10人は北朝鮮に強制送還されてしまった。

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パクさんの姉は現在、中国の施設に拘禁されており、通常通りならば数週間以内に強制送還される。

パクさんは「姉が強制送還されないように祈り続けています。私のようなひどい体験を、姉にはしてもらいたくない」と語っている。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記