予告なしの放水で押し流された北朝鮮の被災者たち…金正恩氏の冷酷非情

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山崩れや土砂に流されるなどの事故で、9月12日から29日までの間に100人以上が死亡したという。被害はその後も増えた可能性が高い。そもそも水害被害を拡大させたのは北朝鮮当局の「ある指示」によるものだという指摘もある。

水害が起きて間もない頃、デイリーNKの内部情報筋が伝えてきた情報によると、中央の指示によって西頭水(ソドゥス)発電所に流す水を貯めている両江道(リャンガンド)大紅湍(テホンダン)郡の円峰(ウォンボン)貯水池と、咸鏡北道(ハムギョンブクト)茂山(ムサン)郡を流れる城川水(ソンチョンス)の上流にある馬養(マヤン)貯水池の水門が予告もせずに開かれたという。放流された理由は、発電設備の崩壊を避けるためだった。これにより、茂山、会寧(フェリョン)、穏城(オンソン)など流域の町が次々に濁流に飲み込まれた。

「60あまりの村が跡形もなく消え去り、国境警備隊の哨所(監視塔)、兵舎、軍官(将校)用の住宅もあらかた押し流された」(情報筋)。北朝鮮当局は人命より既存設備を守ることを優先したのだ。こうした人命軽視の姿勢に対して一部の住民からは怨嗟の声が出ているが、当然のことだろう。

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