中国遼寧省の丹東。北朝鮮との国境を流れる鴨緑江のほとりに立つあるレストランには、中朝両国の国旗が掲げられている。店頭に掲げられた案内によれば、同店の目玉は「平壌女性の歌と踊り」だ。どうやら、中国人が経営する「北朝鮮風」レストランのようだ。 店内では、若い中国人従業員に混じって北朝鮮女性が働いていた。
取材班が「韓国から来た」と告げても、女性従業員は当惑の色を見せるどころか、嬉しそうな表情を浮かべた。そして、「南朝鮮(韓国)のお酒あります」「オリンピックはうまく行っていますか?」などと、自分から客に問いかけるフレンドリーさだった。
さらに「ソウルに行ってみたいか」と質問してみると、「はい、行きたいです」と笑みを浮かべた。接客のプロとしての営業トークなのか、韓流好きな北朝鮮女性の本音なのか、取材班には見極めがつかなかった。一昨年、レストラン従業員の集団脱北が北朝鮮国内でも大問題になったことを思えば、彼女らの言葉はきわめて大胆なものにも思える。