「正恩氏が死んだかと思った」核実験に北朝鮮国民の反応も様々

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国際社会の非難を浴びている北朝鮮の核実験だが、北朝鮮国内の普通の人々はどのような反応を見せているのだろうか。

まず、「特別重大報道」が予告されると「金正恩氏が死んだのではないか!?」と早とちりした人もいたという。過去の「特別報道」で、金正日総書記の死去が伝えられた経験があるためだ。

ほかにも、兵士たちが「水爆ひとつで敵を吹っ飛ばせるなら、こんなキツイ訓練やめちまえ」と愚痴るなど、けっこう様々な反応が出ている。

変わったところでは、核実験のせいで北朝鮮最高峰の白頭山が噴火するのではないか、との噂も流れている。

核実験による揺れは震度3程度だったと思われるが、地震のない国でもあり、また建物の手抜き工事が横行していることもあって、恐怖を覚えた人はけっこう多いようだ。

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いずれにしても、雰囲気は総じて白けており、北朝鮮国民のほとんどは核実験を迷惑がっているだけで、「偉大だ」などと喜んでいる様子はうかがえない。

いくら思想的な締め付けが激しくとも、北朝鮮の個々の国民は、決して洗脳などされていない。権力を小バカにし、自分たちの境遇を笑い飛ばすユーモアをたっぷり持っている。

そんな常識的な感覚が、北朝鮮の政治に反映される日の訪れが待ち遠しい。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記