米国の軍事専門サイト The War Zone(TWZ)は、米軍がイラン海軍の艦艇に対して弾道ミサイルを用いた攻撃を実施している可能性を報じ、もしそれが事実であれば海戦史上きわめて画期的な事例になるとの分析を示した。

TWZが10日付で掲載した記事によると、米軍は中東で進行中の対イラン軍事作戦の中で、陸上配備のロケット・ミサイルシステムを用い、弾道軌道を描く兵器でイラン艦艇を攻撃している可能性があるという。記事は、こうした長距離弾道ミサイルによる対艦攻撃は「将来の戦争を先取りするもの」になる可能性があると指摘している。

米中央軍も今月、イラン海軍の大型艦が攻撃を受けて炎上したと明らかにしており、標的の一つにはイラン革命防衛隊海軍が運用する「ドローン空母」が含まれていたとされる。

問題の艦は、コンテナ船を改造して無人機運用能力を持たせたとされる艦で、代表例としてはシャヘド・バゲリが知られる。2025年に就役したばかりのこの艦は、長大な飛行甲板を備え、無人機やヘリコプターの発着拠点として遠方海域での作戦を想定した新型艦だった。(参考記事:【写真】イランの「ドローン空母」無残に撃沈 北朝鮮“異形の兵器”は

ただし、米軍がこの艦をどの兵器で攻撃したかは公式には公表されていない。TWZは、米軍が地上発射型の戦術弾道ミサイルを艦艇攻撃に転用した可能性を指摘しており、これが事実であれば、弾道ミサイルによる実戦での対艦撃沈としては前例が極めて限られるケースとなる。

弾道ミサイルは通常、固定施設などを攻撃する兵器とされてきた。しかし近年は、衛星や無人機による目標追跡とデータリンクを組み合わせることで、移動する艦艇を攻撃する「対艦弾道ミサイル」構想が各国で研究されてきた。中国が開発したとされる対艦弾道ミサイルなどが代表例だが、米軍が実戦で同様の能力を示した場合、海戦の様相を大きく変える可能性もある。