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北朝鮮の平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)の郊外にある白土里(ペクトリ)教化所は、市内南部の住宅地の中にあり、中国国境から最も近いところにある刑務所だ。また、車窓からの確認は困難とはいえ、外国人観光客が多く利用する鉄道からわずか500メートルしか離れていない。

この教化所で最近、改修工事が行われている。外部の目に触れやすいところにあることを、北朝鮮当局が気にしているからと思われる。

デイリーNKの内部情報筋は、施設の老朽化で様々な事故が発生していた白土里教化所で、衛生環境の改善を目的とした工事が行われていると伝えた。

古くなった監房、監視施設、作業場は取り壊され、建て直された。これは受刑者の生活条件改善、脱走防止、室内での作業空間確保が目的だと、情報筋は説明した。

(参考記事:若い女性を「ニオイ拷問」で死なせる北朝鮮刑務所の実態

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各部屋には監視強化のために通信ケーブルが設置され、監視カメラで監房内部の状況を遠隔でモニタリングできるようになった。

驚くべきは、コメが運び込まれたということだ。情報筋は、社会安全省(警察庁)教化局が定めた教化所給食供給規定が変わらない限り、受刑者の食生活の改善がなされることはないだろうとしつつも、名節(祝日)にはトウモロコシ飯の代わりに白飯が出される可能性があると述べた。

白土里教化所の受刑者の栄養状態に関しては、受刑中に死亡したキムさんの話がある。

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特閣(金一族の別荘)につながる銅線を盗んだ容疑で15年の労働教化刑(懲役刑)の判決を受けたキムさんは、この教化所に収監されたが、出される食事があまりにも貧弱なため、面会にやってきた家族からのトウモロコシ粉の差し入れで食いつないでいた。

ところが、コロナ禍で面会が禁止され、栄養失調になる者が続出し、教化課と監房課の集計で男性60人、女性40人が餓死した。教化所内での物々交換では塩一匙と地下足袋一足を交換するほどの状況となったという。

しかし、2022年に栄養失調と寒さのせいで亡くなり、遺体は焼却処分された。面会が再開された翌年になって、キムさんの最期の様子が面会に訪れた人や安全員(警察官)の家族を通じて、外部に知られるようになった。

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中国国境から至近距離にあるため、このような噂はあっという間に海外にまで伝わってしまう。北朝鮮当局がそれを恐れていることは、容易に想像がつく。