金正恩命令をほったらかし“異性交遊”の高校生ら「さらしもの」に

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北朝鮮の各主要都市にある「第1中学校」。故金正日総書記の肝いりで作られたエリート中学、高校だ。一方、「外国語学院」は、外国語の専門人材を養成する6年制の中学、高校に当たり、こちらもエリート校であることに変わりはない。

エリート校の生徒といえども、遊びたい盛りの若者だ。田植えに動員された農村でハメを外し、大目玉を食らったケースもある。詳細を咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

問題になったのは、咸興(ハムン)第1高級中学校と咸興外国語学院の生徒8名だ。

北朝鮮では先月から始まった「田植え戦闘」が、コロナ感染者発生とその対策としての移動統制、またそれ以前から深刻化していた食糧難などの影響で、大幅に遅延している。本来なら農村動員の除外対象である両校の生徒も、事態のあまりの深刻さから農村に駆り出されることになった。期間は先月末から今月10日まで、時間は朝7時半から夜8時まで、自宅から出勤する形だ。

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両校の生徒とも、幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)を親に持つ者が多く、また普段から素行に問題のある生徒も少なくないようだ。

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第1高等中学校の女子生徒4人と、咸興外国語学院の男子生徒4人は農村で共に働くうちに打ち解け合い、仕事が終わっても家に帰らず、ある生徒の祖母の家に入り浸り、合コンよろしく酒を飲んでいたというのだ。

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子どもたちが帰ってこないことに心配した親たちは、手を尽くしてあちこち探し回った末に、ようやく居場所を見つけ、その家の人民班(町内会)に連絡した。やがて、人民班の巡察警備員と非常防疫検閲組に踏み込まれ、摘発された。

その後、8人は即時、咸興市の社会主義愛国青年同盟(青年同盟)に呼び出され、調査を受けた。8人は、人生で初めての酒を楽しんでみたかった、異性と付き合いたいという気持ちで集まった、酒を飲んだだけでそれ以外には何もしていないなどと釈明した。

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青年同盟は、「重要な非常防疫期間に未成年が集まって酒を飲んだことそのものが、非社会主義行為(風紀紊乱)に当たる」と厳しく批判、追及し、批判書を書かせる処分を下した。また、8人の親も、それぞれが所属する組織から、子供の躾をきちんとするとの誓約をさせられた。

そもそも、金正恩総書記が「農業第一主義」を掲げている今、最重点政策である「田植え戦闘」への動員は、最高指導者からの命令も同然なのだ。それをないがしろにしたとあっては、厳しいお咎めを受けずには済まされない。

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なお、今回の事件は今月、道内の青年同盟の下部組織に配布される教養資料(思想教育用の資料)に掲載されることになった。「見せしめ」のため、個人情報がさらされるわけだ。親たちは、どうかそれだけは勘弁してほしいと頼み込んだが、青年同盟は再発防止のために掲載に踏み切ったという。おそらく実名が公開されているのだろう。