「ヤクザが党幹部を襲撃、殺害」金正恩が国内に厳重警戒を指示

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北朝鮮当局が故金日成主席の生誕記念日である太陽節(4月15日)を前に、凶悪犯罪を防ぐため「犯罪前科者」「ヤクザ者」に対する取り締まりを強化するための指示を下したと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が現地情報筋の話として伝えた。

咸鏡南道のある行政幹部はRFAに対し、「今月初めに党及び行政、司法機関幹部会議が行われた」とし、「会議では太陽の節を迎え、犯罪前科者と無職ヤクザ者に対する取り締まり統制を強化するための当局の指示が伝えられた」と述べている。

この幹部は「指示文は最近、全国各地で殺人と強盗、強姦など凶悪犯罪がはびこっており、社会的不安を醸成している事実を指摘した」とし、「各級党組織と行政機関、保衛部・安全部・検察所など司法機関が、太陽節の特別警備期間に犯罪前科者とヤクザ者たちに対する掌握統制を強化し、凶悪犯罪を徹底的に防ぐことを強調した」と説明したという。

この幹部はまた、「指示文は過去数カ月の間に全国で発生した数十件の凶悪犯罪を分析した結果、大部分が犯罪前科者、無職ヤクザ者によって起こされたものだったことを明らかにした」とし、「一部の前科者とヤクザ者が良からぬ考えから党幹部や行政幹部、安全・保衛要員を襲撃して殺人行為に至った事例も通知された」と明らかにした。

1980年代以前の北朝鮮は、非常に犯罪の少ない国だったと言われている。配給システムが機能し、住宅から食料品に至るまでほとんどのものを国が無料、または安価に配給し、「貧しくとも生きていける皆が平等」な国だったからだ。もちろん、特権層は存在したのだが。

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ところが、1990年代後半の未曾有の食糧危機「苦難の行軍」を前後して配給システムが崩壊し、餓死者が続出した。生きるために市場で商売する者もいれば、犯罪に走る者もいた。極度に悪化した治安対策として金正日総書記は「犯罪者はその場で処刑せよ」という荒っぽいやり方を指示した。

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その後、食糧事情が落ち着くに従い治安も改善したと見られていたが、長引く経済制裁とコロナ鎖国による経済難の深刻化により、今また犯罪の多発が見られているもようだ。

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また、前出の行政幹部によれば、当局の指示文は「犯罪前科者とヤクザ者が互いに結託して、危険な犯罪行為に走っている事実も明らかにした」としており、小規模とは思われるが、犯罪者が徒党を組んでいる状況もうかがえる。金正恩体制としては、非常に不安を覚える部分だろう。

この幹部は「2年以上も続く悪性感染症事態(コロナ流行)で生活が苦しくなり、犯罪行為がさらに増加している」とし、「犯罪前科者やヤクザ者に対する取り締まりを強化するのも良いが、当局はそれより先に、住民の生活状況の改善に関心を向けてほしい」と強調している。