日本政府は1日、北朝鮮が先月24日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射して日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したことを受け、北朝鮮の核・ミサイル開発に関わったとされるロシアの4団体と9人(北朝鮮国籍6人、ロシア国籍3人)を対象とする追加制裁(資産凍結)を閣議で了解した。
これによって資産凍結の対象は、北朝鮮などの120人と129の団体に拡大されました。
今回追加した9人と4つの団体は先に米国が資産凍結の対象とする措置を講じていて、日米が足並みをそろえた格好となる。
北朝鮮の核・ミサイル開発を巡るこうした動きは以前からのものだが、北朝鮮がプーチン政権よるウクライナ侵略をあからさまに支持していることもあり、朝露両国のつながりに対しては、いっそう厳しい視線が向けられそうだ。北朝鮮外務省は先月28日にも、プーチン政権の行動が「正当な選択」である論評を公式ウェブサイトに掲載。その後も同様の主張を続けている。
サイバー攻撃や兵器開発においてロシアは、北朝鮮にとって欠くことのできない重要拠点だ。
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北朝鮮の新型地対地戦術誘導ミサイル(米軍コード名:KN23)は、ロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」と形状も性能の特徴も良く似ていると言われるが、厳しい経済制裁下で外国との先端技術交流が難しい北朝鮮は、いかにしてこのミサイルを開発できたのか。
こうした疑問は、ずっと以前からあった。北朝鮮は2015年にも、ロシア製の「3M24ウラン」と酷似した対艦ミサイルを発射している。ウランを原型に北朝鮮が開発したもようだが、そもそも国連安保理の経済制裁が敷かれる以前に、ロシアがウランを北朝鮮に輸出したという情報はない。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、北朝鮮がロシアから何らかの技術情報を入手していると仮定すると、その対価は何か。北朝鮮が巨額の仮想通貨を盗んでいるという情報が事実なら、それはどこで、どのように使われているのか。
こうした疑問は、ロシアのウクライナ侵略が始まる前から重要なテーマだったが、今後はいっそう、両国の関係が疑われることになり、金正恩総書記の兵器開発計画が何らかの制限を受けるようになる可能性はある。
またロシアや北朝鮮国内にいるデイリーNK内部情報筋によれば、ロシアの通貨ルーブルのレートが暴落したことにより、北朝鮮はロシアに派遣した労働者からの上納金徴収で損失を被っている可能性がある。また国内でのプロパンガスの取引相場が3割も上昇しているとされ、ただでさえエネルギー難の北朝鮮にとっては大きな痛手だ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面そして、そのような問題を抱えるようになっても、それをサポートする力は当のロシアにはなく、中国を除いては、手を差し伸べてくれる第三国もないのだ。