有名女優も処刑…北朝鮮「性録画物」摘発で死屍累々

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北朝鮮の最高人民会議常任委員会は昨年12月4日の第14期第12回総会で、「反動的思想・文化排撃法」を採択した。名前だけ見ても、韓流はじめ海外情報の流入を厳しく取り締まるためのものであることがわかる。

だが、韓国デイリーNKが入手した同法の説明資料により、想像以上に過激な内容であることがわかった。

例えば同法27条については、次のように説明されている。

「南朝鮮の映画、録画物、編集物、図書、歌、図画、写真などを直接見たり聞いたり保管したりした者は5年以上15年以下の労働教化刑(懲役刑)を宣告され、コンテンツを流入させ流布した者は、無期労働教化刑(無期懲役刑)や死刑など最高刑に処す」

過去にも、韓流コンテンツを密売した商人が処刑された事例はあったが、これほどあからさまに「無期労働強化刑」「死刑」などの刑罰を文書で明示したのは初めてではなかろうか。

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このように、同法はかなりの部分が映画、ドラマ、K-POPなど韓流コンテンツの流入阻止に割かれているが、重罰の対象はこれだけではない。28条では「米国や日本など敵対国の文化や共和国(北朝鮮)に反対する内容が含まれた編集物を見たり、流入させたりした者は、10年以下の労働教化刑に処する、多くの量のコンテンツを流入させた場合には死刑に処す」と、米国や日本製のコンテンツについても規定しているのだ。

ちなみに「反北朝鮮の編集物」には、北朝鮮当局が忌み嫌うキリスト教関連の書籍も含まれる。

また、アダルトビデオ(AV)などについても、29条で厳しく禁じている。「性録画物または迷信を説教した図書、写真、図画を見たり保管したりした者は、5年以上15年以下の教化刑に処す、これらを流入させ、流布した者には無期労働教化刑、罪状の重い場合には死刑に処す」としている。

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北朝鮮当局は、AVに対しても厳しく取り締まってきた。韓国のメディア、デイリーアンは2013年9月、北朝鮮筋の話として、人民俳優のピョン・ミヒャンが出演したウラAVが日本で出回り、それを見た在日本朝鮮人総連合会(総連)の関係者が本国に通報したことで発覚し、制作に関わっていた人たちが家族の見守る中で処刑されたと報じた。

(参考記事:【写真】美人女優ピョン・ミヒャンの公開処刑で幕を閉じた「禁断の映画」摘発の内幕

さらに注目すべき点は、韓流などの外国のコンテンツ、AVなどの流入・流布・視聴が行われたことを知りながら通報しなかった者をも、処罰の対象としている点だ。違反者に労働鍛錬刑を科すことで、密告するよう圧力をかける意図があるものと思われる。

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こうなると今後、北朝鮮では同法違反での逮捕が相次ぎ、死屍累々となる可能性が非常に高い。

それにしても、先日の朝鮮労働党大会で「為民以天」――民を以って天と為す――をスローガンにかかげながら、このような罪とも言えない罪に対して死刑を乱発しようとする金正恩総書記の真意はどこにあるのか。

結局のところ、最高指導者と党の意向に従わなければ、かの国では「民」とはみなされないということだろう。