隔離中に友達に会っても銃殺…金正恩「新型コロナ」で重大命令

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米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は北朝鮮と国境を接する中国・丹東の情報筋の話として、北朝鮮側から次のような噂が流れていると伝えた。

「新型コロナウイルスへの感染を疑われていた新義州(シニジュ)市の2人の住民が2月末ごろ、密かに隔離場所を抜け出し、友人の誕生パーティに行ったことが摘発され、銃殺された」

一方、これとよく似たエピソードを、韓国紙・東亜日報の記者で、脱北者でもあるチュ・ソンハ氏が自身のブログで伝えている。それによると、新義州にある平安北道(ピョンアンブクト)の道保安局の幹部が、隔離された友人に会いに行き、制止しようとした警備担当者とトラブルになり、規則違反で2月16日に処刑されたという。

女性芸能人も

道保安局と言えば、日本の道府県の警察本部に相当する組織だ。幹部ともなれば相当な実力者であり、日頃からの癖で「お前ごときがオレの邪魔をするのか」と警備担当者に突っかかったようだ。

しかし、この幹部の認識は甘すぎたようだ。北朝鮮の防疫・医療システムは極めて脆弱であり、新型コロナウイルスの感染が広がって社会が混乱するようなことになれば、金正恩体制を土台から揺るがす事態につながりかねない。

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幹部は同僚たちが見ている前で肩章をはぎ取られ、手錠をかけられて連行されたという。

チュ・ソンハ氏によれば、金正恩氏党委員長2月初め、防疫規定の違反者には軍法を適用するよう指示。これを受け、幹部は2月16日に銃殺されたという。ちなみこれと同じ日、新型コロナウイルスに感染していたと見られる保衛指導員も銃殺された。彼もまた、ウイルス侵入を防ぐための防疫ルールに違反していた。

彼らは新型コロナウイルスに感染したり、感染が疑われたりしたからではなく、金正恩氏の指示を軽く見たことで身を滅ぼしたということだ。金正恩氏の権威に挑戦することも、この国では死に値する罪とみなされる。過去には、金正恩氏の美貌の妻・李雪主(リ・ソルチュ)氏の異性関係を知った女性芸能人らが処刑された事件もあった。

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(参考記事:女性芸能人たちを「失禁」させた金正恩氏の残酷ショー

ただ、あまりに厳しすぎるルールは、結局のところ守られず、人々が「抜け道」を探すよう仕向けてしまう結果にもつながりかねない。果たして北朝鮮の強硬措置は、吉と出るのか、凶と出るのか。