韓国のニュースサイト、リバティ・コリア・ポスト(LKP)は28日付で、北朝鮮の首都・平壌で大規模な粛清が進行中だと伝えている。
LKPにこの情報を提供したのは、2017年11月まで平安南道(ピョンアンナムド)の平城(ピョンソン)市保衛部(秘密警察)で勤務し、今年8月中旬に北朝鮮脱出したカン某氏だという。
女性芸能人に「見学」強制
それによると、平壌では現在、秘密警察である国家保衛省と軍の保衛司令部が1200人余りの幹部クラスを拘束し、反国家行為の容疑で調査を行っているという。また、拘束された容疑者の急増に伴い、隔離監房が不足し、西平壌駅の近くにある護衛司令部81旅団6大隊の兵舎を保衛司令部に移管する措置も取られたとしている。
そして、衝撃的なのはここからだ。カン某氏によると、昨年、平壌市と平安南道の保衛部が反国家犯罪に罪で処刑したり、政治犯収容所に送ったりした人の数は1100人程度だったというが、今年は平壌市だけで、すでに1200人を超える人々が処刑・粛清されているというのだ。
このような情報は、今のところLKP以外の媒体では言及されていない。ただ、気になる動向もある。北朝鮮では、制裁不況が深刻化する中で治安が悪化。それを抑え込む目的からか、北朝鮮当局はしばらく控えていた公開処刑を再開している。
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また、カン某氏が現在の現地の雰囲気を、1990年代の「深化組事件」に例えているのも気になる。同事件は、「苦難の行軍」と呼ばれた未曽有の食糧危機のさなか、民衆の不満が体制に向かわないようにするために、金正日総書記がでっち上げた大規模なスパイ事件である。同事件では、2万5千人もの人々が犠牲になったと言われる。
現在の北朝鮮もまた、制裁不況により深刻な経済難の中にあると言われる。金正恩党委員長が「民衆の不満」が向かう方向に危機感を抱いたとしても、決して不思議ではない。
そして金正恩氏は、自分が気に入らない部下たちを残酷な処刑させる際、その様子を女性芸能人らに無理やり「見学」「前科」の持ち主でもある。
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トランプ米大統領とそつなく対話する姿が「洗練された指導者」として映ってしまっている可能性もあるが、彼が残忍な独裁者であるという事実は、決して忘れられてはならない。