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北朝鮮当局は、国民を対象に「米国はわが国に手を出せない」という宣伝を繰り返している。米朝関係の緊張が、国内に悪影響をおよぼすことを恐れているようだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

今月15日の太陽節(金日成主席の生誕記念日)の前に中国を訪れた咸鏡南道(ハムギョンナムド)の情報筋によると、北朝鮮国内には、とくに米国を意識した雰囲気はないという。

それなのに当局は、住民を対象にした教養学習の時間に、「わが国の強力な核兵器のおかげで、米国は絶対にわが国に手を出せない」と繰り返し強調している。しかし、同じようなことを耳にタコができるほど聞かされてきた人々は、「何を今さら」と気に留める様子もないという。

北朝鮮国内では、米軍の空母カール・ヴィンソンが朝鮮半島近海に派遣されていることはほとんど報じられていない。北朝鮮国内で最も権威のある労働新聞の記事でこのことについて触れられているのは、10日の外務省報道官の談話、15日の朝鮮人民軍(北朝鮮軍)総参謀部報道官の声明、17日の論評ぐらいだ。

中国訪問時に韓国のテレビニュースを見て情勢の緊迫を知ったという情報筋は、当局が「米国はわが国に手を出せない」と繰り返している意図が、それでようやく理解できたと語る。

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このような情報統制は、北朝鮮国内に動揺が広がることを恐れてのことと思われる。当局は、国外からの口コミ情報流入にも神経を尖らせている。

中国の対北朝鮮情報筋によると、北朝鮮当局は、中国に駐在する北朝鮮貿易関係者が、業務上必要な会議に参加するためであっても自由な帰国を許さず、大使館に許可を求めるよう命じている。

しかし、当局がいくら情報を統制しても、韓国のラジオや米国系の対北放送を聞いている人や、貿易関係者、華僑らを通じ、情報が口コミで拡散することは避けられないだろう。実際、金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件の情報は、当局が情報の流入を遮断しようとしたが、あっという間に広がってしまった。