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北朝鮮当局は、以前にもまして国境の警備を強化しているが、先月、国境警備隊の隊員が、中国に行って戻ってきたところを逮捕されたと両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

情報筋によると、逮捕されたのは普天(ポチョン)郡に駐屯する国境警備隊25旅団1大隊の隊員。この隊員は、勤務時間に国境を越えて中国に行き、カネを受け取り戻ってきたところを保衛指導員(秘密警察)に見つかり、逮捕された。

隊員は、旅団の保衛部に連行され、取り調べを受けたが、脱北を幇助する脱北ブローカーと、韓国にいる脱北者の送金を、中国国内の協力者から受け取り、北朝鮮に残る家族に届ける送金ブローカーを行ってきたことがわかっている。

脱北を幇助する行為は、昨年11月まで比較的容易に行うことができた。発覚しても軽い処罰で済まされていた。しかし、国境警備が強化されてから状況が一変した。

かつては裏で違法行為を煽っていた保衛指導員や軍官(将校)が昼夜を分かたず隊員の監視を行うようになったという。密輸、送金、脱北幇助は上官の指示や許可がなければできるものではない。

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一方で、保衛指導員や軍官も、違法行為を摘発する実績を上げなければ、上部からの追及は免れない。情報筋は、今回の事件を「保衛指導員や軍官が実績を報告するために捏造したもの」と見ている。

当局は、今回の事件を見せしめに利用し、国境警備隊の規律の粛正を図ろうとしているものと思われる。隊員全員が集まる朝礼で「国境を警備する立場を忘却し、カネを受け取り反逆行為に加担、または同調する者はたとえ誰でも容赦しない」との当局の方針が伝えられたという。

しかし、密輸、送金、脱北幇助から得られる莫大な利益を国境警備隊が手放すことはないだろう。ほとぼりが冷めれば、また違法行為が再開すると見られる。