米財務省の経済制裁の対象に指定された北朝鮮の銀行が、依然として国際金融ネットワークで活動していることがわかった。

米ウォール・ストリート・ジャーナルは14日、北朝鮮の金融機関である朝鮮貿易銀行、金剛銀行、高麗信用開発銀行、北東アジア銀行の4行が依然として国際銀行間通信協会(SWIFT)のシステムを活用していると報じた。朝鮮貿易銀行は2013年に、ほかの3つの銀行は昨年12月に米財務省から制裁指定されている。

SWIFTは7日、ベルギー政府の決定に基づいて、朝鮮大聖銀行、朝鮮光鮮銀行、東方銀行の北朝鮮銀行3行との取引を停止しているが、ウォール・ストリート・ジャーナルは、未だに数行が活動を続けているのは、国際社会の北朝鮮に対する圧力が完全ではないことを示していると指摘した。

SWIFTは、金融機関同士の通信にクラウドサービスを提供する非上場の株式会社で、
あらゆる国際決済が同社のシステムを通じて行われている。本社がベルギーにあるためベルギー政府の監督を受け、EU法に従っている。そのため、米国が独自に行っている対北朝鮮制裁に従う義務はない。これが、4行が依然としてSWIFTのシステムを使うことのできる理由だ。

SWIFTは、「特定の国や個人に対して制裁を科したり無効にしたりすることは、政府機関や規制当局の役割だ」とし「我々はEUの規制に従わなければならない」としている。

SWIFTの監督官庁であるベルギー中央銀行も「制裁は、中央銀行ではなく、ベルギー政府の所管」としている。ウォール・ストリート・ジャーナルは、ベルギー財務省にもコメントを求めたが、回答は得られていない。

英フィナンシャル・タイムズは、国連の報告書を引用し、EUの規則と国連の制裁に齟齬があると指摘している。

ベルギー政府は、SWIFTがEU法に基づき、国連の制裁対象に指定されている北朝鮮の銀行から最大で1万5000ユーロ(約183万円)の手数料を受け取ることを認められているとしているが、国連安保理1718制裁委員会の専門家パネルは、ベルギー政府が同委員会の承認を受ける必要があると指摘している。

SWIFTは、金融機関間の決済を行う組織で、全世界の1万1000以上の銀行が加盟している。北朝鮮の銀行は、最も多い時で19行が加盟していた。

SWIFTは、バングラデシュで昨年に起きた、史上最大規模の不正送金事件に利用されたが、この事件には北朝鮮が関与した疑いが持たれている。