北朝鮮産の海産物、産地偽装され日本、韓国、米国に輸出

相次ぐ核実験とミサイル発射で国際社会の制裁を受けている北朝鮮は、水産物の輸出で苦境の打開を図っている。その流れの中で、北朝鮮産の水産物が中国産に産地偽装される事例が後を絶たない。

韓国の地方紙・毎日新聞によると、韓国第3の都市である大邱の税関当局は最近、江原道のA水産の事務所を家宅捜索した。同社は、北朝鮮産の貝165トンを中国産に偽装して輸入し、取引額を低く申告して関税1億4000万ウォン(約1360万円)を脱税した容疑が持たれている。

調査の結果、この貝は、北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)羅先(ラソン)で獲られ、中国の吉林省朝鮮族自治州の琿春などを経て、韓国の仁川港に輸入されていたことが明らかになった。

韓国政府は、2013年3月に朝鮮人民軍(北朝鮮軍)が韓国軍の哨戒艦「天安」を撃沈した事件に対する報復として、北朝鮮産の物品の輸入を禁止する「5.24措置」を講じたが、密輸の事例が後を絶たない。中でも、北朝鮮産の水産物は、韓国はもちろん、日本、米国、ヨーロッパにまで輸出されているとロイター通信が報じている。

同社の記者がインタビューした、延辺朝鮮族自治州の延吉市の西市場の商人15人によると、中国産として売っているスケソウダラは、中朝国境で北朝鮮と取引を行っている卸売業者から買い付けたもので、北朝鮮から輸入され、中国で加工、包装されたものだ。

匿名を条件に取材に応じた商人は「ここで売られている魚の干物は全部北朝鮮産だ。包装を中国で行うから中国産ということになっている」と述べた。また、別の商人は「どこにでも輸出するが、ほとんどが韓国や日本に行く。米国に輸出したこともある。ほとんどを輸出に回す」と述べた。

吉林省の政府系メディアの関係者は、北朝鮮産とロシア産の海産物が、延吉郊外の工場で加工され、韓国、日本、米国、ヨーロッパに輸出されると述べている。

この地域は、日本海から数十キロのところに位置し、海には面していない。そのため、流通する海産物は北朝鮮またはロシアから輸入されたもの、もしくは中国の別の地域から運ばれたものだ。

北朝鮮産か否かを見かけで判断することは非常に困難であり、今後も産地偽装をめぐるイタチごっこは続きそうだ。