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北朝鮮で、毎年この時期に行われる行事の一つに「白頭山地区革命戦跡地への踏査行軍」がある。建国の父・金日成主席が率いる抗日パルチザン部隊が駐屯したとされる白頭山地区に点在する「革命戦跡地」を見て回る。その中でもハイライトとなるのが「白頭山密営」だ。

北朝鮮の正史によると、白頭山はパルチザン部隊の司令部が置かれていただけでなく、金正日総書記が生まれた「聖地」とされている。しかし、実際は神格化のプロパガンダで、産地偽装ならぬ「生地偽装」の類いだ。

金正日氏はロシア極東で生まれたことが明らかにされており、「白頭山生地神話」をはじめとする数々の偶像化エピソードは、正日氏が後継者としての地位を固めつつあった1982年からはじまった。

この「聖地巡礼の旅」で、交通死亡事故が発生。しかし、何事もなかったかのように行事が続けられ、参加者からは不満の声が上がっているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

両江道(リャンガンド)の内部情報筋によると、2月16日の光明星節(金正日氏の誕生日)を記念して、1月31日より中央機関の職員の白頭山踏査行軍が始まった。

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ところが、彼らの世話をしていた黄海北道(ファンヘブクト)旅団のワンボックスカーが、雪道でスリップ、横転し、黄海北道青年同盟の組織部長と指導員が死亡する事故が発生した。しかし、踏査行軍は中止さず続けられた。

死亡事故が起きたにもかかわらず継続されたことに対して、参加者の間からは「仲間が死ぬ状況を目の当たりにしたというのに、中央はわれわれの気持ちなど汲んでくれようとしない」と中央を非難する声が上がっている。「死亡した青年幹部には勲章が授与される」との話も出ているが、「そんなものが何の役に立たない」と切り捨てている。

そもそも、踏査行軍は冬に行われるため、参加者の負担が大きい。氷点下40度まで下がることもある白頭山地区を徒歩で移動するため、顔や耳が凍傷になることも珍しくない。

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15日間にわたり行われたが、参加者が背負っているバックパックには「祝水爆実験成功」などと書かれていた。かつては「白頭の革命精神、総爆弾、決死擁護」などと書かれていたが、今回そのようなスローガンは見られなかったという。

つまり、今回の踏査行軍は、革命業績を見て回ることより、金正恩第1書記の業績をさらに盛り上げる意味が大きかったようだ。参加者たちは「金日成革命思想を学びに来たのか、水爆実験を祝いに来たのかわからない」などと口々に語っている。

また、踏査行軍隊総司令部からも死者を悼む話は全くなく、水爆実験の話題ばかりで、スケジュール通りに行えという指示を出している。