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北朝鮮で、検事が妻を殺害するという衝撃的な事件が発生した。さらに、犯人が地元の権力者の息子であることがわかり、さらなる衝撃が広まっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、事件が起きたのは昨年春。30代のホ検事が、日頃から仲の悪かった妻を、刃物で刺して殺害した。直接の動機は明らかになっていない。

ホ検事は、軍隊を除隊後に大学に入り、卒業後は検事として清津市検察所に配属されたエリート中のエリートだ。父親は、会寧(フェリョン)市で労働党の責任秘書をつとめたホ・ヨンギ氏。親子ともども、咸鏡北道の行政、司法で大きな権限を持っていたエリート一家だった。

ホ一家について会寧の情報筋は次のように語った。

「父のホ・ヨンギ氏は2001年に市の責任秘書に就任し、『金正日氏の母親の金正淑(キム・ジョンスク)氏の故郷である会寧を美化する』との名目で、市内のいたるところで都市整備事業を行った。彼が『みっともない』と言った建物は次々と壊され、『ホムルギ(壊す)』のアダ名で呼ばれていた」

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ホ・ヨンギ氏は、昨年5月に中央の検閲(監査)を受けた後、更迭された。父の粛清と息子の殺人事件との関連は明らかになっていない。

ホ検事は犯行後に逮捕され、何らかの処罰を受けたと言われているが、具体的な刑罰は明らかになっていない。北朝鮮当局が、事件について厳しい箝口令を敷いているからだ。

莫大な権力を行使する検事がこのような事件を起こしたことが一般住民に知られると、権力機関に対する不満が拡大する可能性があることを当局は恐れているようだ。

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しかし、事件のあらましを知る労働党と保衛部(秘密警察)の関係者が口を滑らせたようで、事件発生からほぼ1年経って、ようやく一般住民の間でも知られるようになった。

北朝鮮では、核心階層が犯罪を犯しても大抵の場合は「なかったことにする」傾向がある。しかし、「今回は重大犯罪だけあって、処罰は免れないだろう」と情報筋は伝えた。