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北朝鮮では、毎年この時期になると全国的に「堆肥戦闘」、すなわち「人糞集め」が繰り広げられる。各地に化学肥料工場は存在するが、生産量が需要に満たないため、糞尿を集めて肥料にしなけれならない。

北朝鮮当局は「2月16日の光明星節(金正日氏の誕生日)までに作業を終えよ」と指示。住民たちは、人糞集めのノルマに苦しめられていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

慈江道(チャガンド)の情報筋によると、当局からは次のようなノルマが下されたという。

「17歳以上のすべての国民は、1人あたり糞尿1トンを集めよ。家畜の糞尿なら3トンだ。集めた糞尿は協同農場に収めなければならない」

しかし、情報筋によると、ノルマを満たそうにも、出せる糞尿を出しきったため、困り果てているという。達成できなければ処罰や批判が待っていることから、全国各地で「糞尿泥棒」が相次いでいる。

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両江道(リャンガンド)の情報筋によると、今月4日の夜、肥溜めの警戒に当たっていた恵化中学校の生徒8人が、糞尿泥棒と思しき集団に襲われる事件が発生した。

相次ぐ「肥溜め襲撃事件」に保衛部(秘密警察)や保安署(警察署)は、大々的な取り締まりを行っている。犯人は捕まっていないようだが、もし捕まったら、一列に並ばされて「戦争捕虜」のように連行されて、恥をかかされる。

そんなリスクがあるにもかかわらず「糞尿泥棒」をやるのは、勤務している機関や工場の上司から「協同農場に糞尿を収めた『確認証』を出せ」とうるさく言われるからだ。

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それに目をつけた協同農場の幹部は、6万北朝鮮ウォン(約900円、コメ12キロ分)のワイロを受け取り、糞尿1トンを受け取ったという確認証を発行しているという。

協同農場に収められた糞尿の窃盗が相次ぐ現状に「一度収めた糞尿があちこちめぐって自分のところにまた戻ってくる」などといった笑い話が広まっているという。