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北朝鮮・平壌市内の小学校で、備品を盗んだ男が逮捕され、処刑の危機に瀕しているという。平壌在住のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

平壌市内龍城(リョンソン)区域の銀河(ウナ)小学校で、学校の備品が盗難の被害にあったが、犯人はすぐに逮捕された。逮捕されたのは、銀河科学者通りの教導隊の士官長(補給担当者)、つまり民兵組織で勤務している男だった。

男が盗みだしたのは、パソコン、テレビ、楽器だが、それはいわくつきの品だった。2013年、金正恩第1書記がこの銀河小学校を現地指導した。金正恩氏は「贈り物」としてパソコン、テレビ、楽器を贈った。男はこの品物を盗み、売り払って現金化、上司にワイロとして差し出していたことが判明したため、上を下への大騒ぎとなった。

単純窃盗は通常、軽い労働教化刑を宣告される程度だが、金正恩氏からの神聖なる贈り物に手を付けたことから一大事となった。男は逮捕される際に「自分一人でやったわけではない」「一人では死なないぞ」と大騒ぎし、共犯がいると主張。それを受けて、保安署(警察署)は、男の上司などを関連人物を矢継ぎ早に呼び出し、取り調べを行っており、教導隊内部に緊張が走っている。

情報筋によると、金正恩氏は自らに関連した物品の扱いに敏感な上に、腐敗の蔓延を深刻に受け止めているため、この男は政治犯扱いされ、見せしめに処刑される可能性すらあるとのことだ。実際、金日成氏が現地指導した工場にあった施設を売り払った人が「首領様の革命業績を毀損した階級の敵」という罪状で、処刑されたケースがある。

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この事件の噂を聞きつけた住民たちは、犯人にも、ワイロを要求した上司にも批判的だ。住民たちは「幹部たちのワイロで、元帥様(金正恩氏)の贈り物が弄ばれた」「盗んだ男も、ワイロを要求した上司もひどい」「生徒たちは堆肥に使う人糞やクズ鉄集めに動員されているのに、そのすきを狙って物を盗んだり、ワイロをやり取りするとはとんでもない」と非難しているという。

また「出世を望む部下の足元を見て、上司はひどいことをする」「こんな事件が起きたこともあり、忠誠心が強調されているが、時間が経てば元の木阿弥」などと嘆く人もいるという。