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野間 僕の大学時代にも、在日に対する就職差別は厳然と存在してました。バブル真っ盛りで面接も受けずに内定が出ていた時代に、在日の友人がひとりだけ就職が決まらず打ちひしがれていた。勉強もできたのに、本名を名乗っていたことが引っかかっていたようです。ネトウヨのメインは40代だから、そういう状況を見ていないんでしょう。だけど、そういう経緯も知らんと特別永住がどうたらこうたら言っているのを見ると「ボケっ!」と思いますね。(関連記事⇒ある在日3世の自画像

 ただ、むかしのことに興味がないのはネトウヨ以外の若者も同じでしょう。というか、若手の編集者にも珍しくないんやけど、情報収集をほとんどネットに頼っているからインターネットが生まれる前の情報にはアクセスできない。

 その一方で、既存メディアのヘイト企画の量産は出版からネットにも“逆流”していく可能性があります。売れなくなった紙媒体がニュースサイト化していく趨勢の中で、編集者がページビュー(PV)欲しさにヘイトっぽいタイトルの記事を作りまくっているんです。ハッキリ言って、読売新聞あたりもヤバいですよ。

野間 メディアがネットでヘイト寄りの企画を展開するのは、ページビュー(PV)を取りたいからでしょう。日本の人口が減ってマーケットが縮小している以上、メディアもなりふり構っていられない。彼らのPV至上主義は止められへんでしょうね。ということは、こっちはこっちでPVを取れるコンテンツを持つしかないやんと思います。

「どっちもどっち」なんて言えなくなる

 たとえば、しばき隊みたいな?

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野間 そうですね。男組みたいに刺青を入れた悪そうなヤツらが暴れてるけれど、あれはいったい何なんだと。しかし良く見たら、実は本当に悪いヤツらをやっつけてるんじゃないかと。そうやって見ている人にとっては「暴れるのはどうかと思うけど、差別は良くないよね」という結論にしかならない。やっている本人たちは捨て身ですけどね。刑務所には入れられないにせよ、警察に逮捕されて、得することなんか何にもない。
でも、世間の人は別に彼らの崇高さを感じる必要はなくて、「刺青の悪そうなヤツが暴れているけど、相手はどんな連中なんだ!?」という風にコンテンツを消費してくれればいい。そうやって消費される中で、やっている本人たちの主張が広がって行くんです。

2014年12月、京都朝鮮学校襲撃事件「5周年」と称して行われたヘイトデモに抗議しているカウンター参加者 (撮影:島崎ろでぃ)
2014年12月、京都朝鮮学校襲撃事件「5周年」と称して行われたヘイトデモに抗議する人々。中央は男組の元組長、高橋氏。 (撮影:島崎ろでぃ)

 刺青の入ったコンテンツなんて、たしかに従来のリベラルにはなかった。

野間 そうでしょう。反差別やリベラリズムの人たちは、本のタイトルひとつとってみても学術書みたいに無難なやつをつけちゃう。そんなんじゃダメ、もっと煽れと僕は言っている。結局、PVを取れるのはしばき隊とか男組みたいなコンテンツなんです。一見して下品な興味をそそる作りであっても、中身はリベラルであるというような、そういうコンテンツによってヘイト表現を駆逐していくしかないと思う。

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 すでに、それが現実のものになってきています。