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北朝鮮の祖国平和統一委員会(祖平統)は、マーク・リッパート駐韓米国大使を襲撃したキム・ギジョン容疑者を、伊藤博文を暗殺した安重根(アン・ジュングン)に例えて賞賛した。

祖平統は7日、「親米事大、反統一対決分子たちの妄動を絶対に許さない」と題した書記局報道1085号を通じて米大使襲撃事件を次のように評価した。

今回のように米国の現地の植民地総督のような米大使が直接憤怒の刃物の洗礼を受けたのは初めてである。

今回の事件は南朝鮮で危険極まりない合同軍事演習を行って朝鮮半島の戦争の危機を高調させている米国を糾弾する南朝鮮の民心の反映、抵抗の表れだ。

朝鮮中央通信は、今回の襲撃事件に関して「(キム・ギジョン容疑者が)正義の刃物の洗礼を加えた」と報道しているが(関連記事)、襲撃事件を称賛する北朝鮮メディアの報道に対する韓国や日本の批判を「言い掛かり」だと反論。

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われわれが今回の事件を米国に対する正義の懲罰、民心の抵抗に報じたことに対して「テロ行為に対する庇(ひ)護」「事件の本質に対するわい曲・ねつ造」「自らテロおよび反人権集団であることを認める非常識な発言」などと悪らつに言い掛かりをつけた。

さらに、2010年の日本大使襲撃事件に関しても次のように主張。

今回、米大使に刃物の洗礼を加えた南朝鮮の住民(※キム・ギジョン容疑者のこと)が過去、北を訪問しただの、日本大使にレンガの洗礼を加えた時にも北が積極的に庇護しただの、何のとわれわれと結び付けて世論をまどわしたあげく、老いぼれの極右保守分子らを駆り出してわれわれの最高の尊厳と共和国旗をあえて冒とくするなどで殺伐な雰囲気を生じさせている。

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祖平統の報道は、「全世界のメディアがスクープ報道をしながら、(襲撃事件は)米国と傀儡一味の戦争演習がもたらした結果だと評している」と主張した。

朝鮮中央通信サイトの日本語記事では翻訳されていないが、報道では安重根を持ち出してキム・ギジョン容疑者を擁護した。

米帝の戦争策動に反対する義を重んじた行動がテロならば、日帝の朝鮮侵略に反対して伊藤博文を処刑した安重根など反日愛国志士たちの義挙も日本反動どもが冒涜しているようにテロだと呼ばねばならないのか。

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アジア主義者の安重根は、韓国統監だった伊藤博文を1909年10月26日、中国ハルビン駅で暗殺。韓国では安重根を偉人として扱っているが、北朝鮮では彼を愛国者と評価しつつも金日成氏のような偉大な指導者に出会えず志を遂げられなかった人物として、それほど評価は高くない。

マーク・リッパート駐韓米国大使襲撃事件を称賛する3月6日付の労働新聞
マーク・リッパート駐韓米国大使襲撃事件を称賛する3月6日付の労働新聞