北朝鮮が15日の朝鮮中央通信を通じて発表した「国家経済開発10ヶ年戦略計画」は海外からの投資誘致の意味よりも、強盛大国の建設が失敗した場合の、指導部の責任回避や3代世襲に対する民心を得る事を目的とした対内向けだという分析されている。
朝鮮通信は国家開発総局を設立して計画を達成するなど様々な目標を提示しているが、結論として「(戦略計画履行で) 2012年強盛大国の門に入る基礎が出来、2020年に先に立つ国々の水準に、堂々と上がることが出来る確固たる展望が繰り広げられることになった」と主張した。
北朝鮮のこの主張は「強盛大国の押し開く」という、この間のスローガンは「基礎の準備」であり、ひっそりと目標の水準を低くしたのだ。また、10年後には「先に立つ国々の水準に堂々と肩を並べる」という先進国への進入目標を新しく提示した。
北朝鮮は1990年代に大飢餓の時、住民に「苦難の行軍」というスローガンを通じて我慢して耐えることを強調。この期間を我慢すれば思想、経済、銃隊で強盛大国を建設すると住民たちに言い聞かせてきた。しかし、「先軍主義、核兵器開発」を通じて、思想、銃隊は成果を出しているが、経済分野では人民は飢えている状況で、目標履行を強弁したとは言いにくい状況だ。「腹が減る」のはスローガンとしては埋めることが出来ないからだ。
思想大国、軍事大国と違い、実際の目で確認できる経済成果を見せられない「強盛大国」に対し目眩ましを行なったのだ。さらに、その代わりに先進国という目標提示を通じ、2012年という具体的な年度による指導部への責任を回避しようと「国政スローガンすり替え」戦術を宣布したのだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面同通信が「金正日同志の卓越し洗練された先軍指導で、社会主義強盛大国を建設するための跳躍台はしっかりと用意されており、これを土台にして社会主義経済建設で、日々、奇跡と革新が創造されている中で達成された」との一文でも、状況のねつ造を通じて指導者を目立たせているのが伺える。
また、北朝鮮が新しい経済計画を出した背景には、金正恩の後継作業と密接な関連があると見られている。3代世襲を公式化した条件として、新しい経済目標を提示し、住民たちに対して金正恩のリーダーシップを打ち出すための一環と見える。
統一部によれば、今回の国家経済開発計画は、1987年から1993年まで行われたと北朝鮮が発表した第3次7ヶ年計画以降では、約20年ぶりのことだ。約20年ぶりに新しい経済計画を出したのも、新しい雰囲気を作る必要性からで、これにともなう業績を金正恩のものとしようとする意図が見られる。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北朝鮮の10ヶ年戦略計画は、2009年の下半期から樹立し始め、農業、石油、電力、地下資源、鉄道、港湾、都市開発など12個分野で総投資規模を1千億ドルと計画していることがわかった。今回の発表で北朝鮮の内閣は「国家経済開発戦略計画に属する主要対象を全面的に引き受け、実行することを朝鮮大豊(テプン)国際投資グループに委任した」と明らかにした。しかし、昨年大豊グループの海外投資誘致金は全くなかったとことも分かった。
北朝鮮内部では当局の話は「豆で味噌を作っても信じない」という言葉が広まっている。北朝鮮当局も、このような民心を把握している状況であり、住民たちの体制離反を防いで各種労力動員に呼び出すために海外投資の誘致という窮余の策を出していると見られる。