北朝鮮は25日に祖平統を通じて発表した『南北関係断絶』の威嚇措置を実行に移した。この日午前、板門店・海運通信線の断絶に続き、南北経済協力事務所の人員を追放すると通知した。

また、北朝鮮は韓国軍の対北心理戦放送の再開準備と関連し、『照準撃破射撃』の立場と共に開城工業団地閉鎖の可能性まで言及した。南北将軍級会談北側代表団長は西海地区の北の管理区域での南側人員、車両に対する全面遮断措置を取ると明らかにした。

ただし、北朝鮮はこの日、開城工業団地の韓国側人員に対する出入同意書を送ってきており、通行は正常になされた。工業団地との固定電話も正常に稼動した。

北朝鮮のこの様ないち早い対応は、李明博政権下での南北経済協力は事実上不可能だとの判断を下した為と考えられる。チェ・ジンウク統一研究院南北協力研究センター所長は「李明博政府との南北関係、経済協力など全てを諦めたとおもわれる」と評価した。

現在、民主党を初めとした政界と左派市民団体らを中心に起きている『南北間緊張の造成に対する李明博政権の責任論』を後押しする為の措置と解釈される。6.2地方選挙に便乗し、韓国社会に『戦争恐怖』の心理を植え付け葛藤を助長する為だと考えられる。

同所長は「持続的に緊張を高め韓国社会での戦争の恐怖を増幅させ、『平和か戦争』の論理を焚きつけている。対決局面を持続し韓国国民に疲労を感じさせ、平和を主張する政治勢力に有利な条件を作り出す考えだ」と分析した。

これに伴い、当分の間北朝鮮は段階別の対南威嚇措置を取るものと予想される。祖平統も今回の措置が『1段階』であることを明らかにしている。これは韓国政府の措置に合わせた対応を取るものと思われる。

政府関係者は「北朝鮮は西海NLLで韓国政府の軍事行動を誘発する侵犯行為をする可能性が高い。この様な行動を通じて、韓国政府の好戦的な姿を浮上させる事によって、内部結束を固める契機にするつもりだろう」と見通した。

北朝鮮は開城工業団地に対する直接的な措置を取っていないが、対北心理戦放送による工業団地の閉鎖を言及した為、近い将来には開城工業団地に対する追加措置も行われるだろう。

韓国政府の経済協力・交流中断にともなう『現金収入』に深刻な障害が生じており、心理戦再開は金正日体制の維持に致命的という判断のから、『開城工業団地の閉鎖』カードを切り出し韓国政府を圧迫している。

北朝鮮のこの様な応戦措置にもかかわらず、韓国政府の対北制裁の立場に変化がないと予想される。

チョン・ヘャ涛揶齦舶?ｹ官は「北朝鮮は天安艦への攻撃に対する謝罪と責任者の処罰など、当然な措置を取らず、再び南北関係を傷つける威嚇的措置を取った。韓国政府は北朝鮮の威嚇に対し、動揺せず断固とした対処を行い、24日に発表した措置内容を支障なく推進していくだろう」と話した。