人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮の国営メディアには、次のような記事が頻繁に掲載される。

金日成同志の労作をロシアインターネットが掲載

【平壌4月20日発朝鮮中央通信】偉大なる首領金日成同志の労作「祖国統一の3大原則について」を太陽節に際して7日ロシアのインターネット・ホームページ「イルクーツクブログスポット.ル」が掲載した。チュチェ61(1972)年5月3日、11月3日に発表された労作には自主、民族大団結、平和統一の祖国統一3大原則と、朝鮮の北と南の間の合作を実現することについての思想が明かされている。

掲載国やメディアは違えど、どれも金日成主席、金正日総書記、金正恩党委員長がいかに偉大な人物か、北朝鮮がいかに素晴らしい国かということを、世界中のメディアが報じているという体裁となっている。このような記事はいかにして掲載されるのだろうか。

ロシアの英字紙、モスクワ・タイムズがその内情について以下のような事実を明かしている。

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ロシアの新聞、コムソモリスカヤ・プラウダのノボシビルスク版は、太陽節(金日成主席の生誕記念日)前日の4月14日、「金日成、世紀の偉大な男」と題した長文記事を掲載した。

記事の中身は、金日成主席の燃えたぎる愛は国境を越え、全人類に注がれる、すべての栄光は北朝鮮の人々のみならず、国籍、宗教、思想を問わず、全世界の人々のためのものだ――などといったもので、「金日成主席は、人民の心のなかで永遠に生き続ける」との一文で締めくくられている。

実は、昨年のコムソモリスカヤ・プラウダのハバロフスク版、イルクーツク版にも今回と全く同じ記事が掲載されている。

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また、今年4月20日のイルクーツク版には「偉大な人物の名を持った花」との題で「金日成花」を紹介する記事が掲載された。

最後には”НА ПРАВАХ РЕКЛАМЫ”(広告として)という一文が添えられていた。

つまり、上記の例はすべて記事の形を取っているが、北朝鮮当局が対価を払って掲載した広告の一種、日本で言うところのPR記事であるということだ。

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一方、コムソモリスカヤ・プラウダのウラジミール・スンゴルキン編集長は、ロシアのRBCトゥディの取材に対し、同紙地方版とウェブサイトに掲載された北朝鮮関連の記事について次のように説明した。

「北朝鮮の機関は毎年、広告料を払い、人類の営みにおける北朝鮮の役割、社会構造、思想などについて祝日に新聞広告を出す伝統がある」

編集長は「政治的に風変わりなもの」ではあるが、何ら問題はないとの見解を述べた。

さらに「こんな広告は北朝鮮のPRに絶対にならない、むしろマイナスだ」と述べ、「(本当に効果があるのなら)ロシアの真面目な若者たちは、『ロシアも北朝鮮みたいな体制にせよ』とデモをするはずだ」とのジョークを付け加えた。

北朝鮮のプロパガンダ戦略は、テレビにも及んでいるもようだ。

中国のネットニュース、海外網によると、国営テレビ局であるロシア1のキャスター、ドミトリー・キセリョフ氏は最近のニュース番組で、平壌市内で新たに建設されたタワーマンションの映像を背景にして「北朝鮮は強力で独特な社会を持っている」、「新たな解放の時代を迎えた」などと北朝鮮を賞賛する発言を行っている。これ以外にも、北朝鮮寄りの発言を繰り返している。

キセリョフ氏が、北朝鮮当局と関係を持っているかについては明らかになっていない。しかし、ロシア紙におけるPR記事の事例を見れば、北朝鮮が同国のテレビに対しても何らか働きかけを行っていると勘ぐるのは、まったく的外れな見方ではないだろう。