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米バージニア州出身のドレスノク氏は、高校中退後に米陸軍に入隊し、西ドイツでの勤務を経て韓国の軍事境界線付近の基地に配属されたが、書類のサインを偽造した容疑で軍法会議にかけられた。彼は処罰から逃れるため、1962年8月15日に軍事境界線を越えて北朝鮮に亡命した。

同様に米軍を脱走し北朝鮮に亡命したラリー・アブシャー氏、ジェリー・パリッシュ氏、そして後に拉致被害者曽我ひとみさんと結婚したチャールズ・ジェンキンス氏と同じ施設に収容され、長期間にわたる思想教育を受けさせられた。当初はソ連大使館に逃げ込み亡命を図ろうとするなどしていたが、北朝鮮への生活に適応していった。

ルーマニア人拉致被害者のドイナ・ブンベア氏と結婚し、2人の息子をもうけ、平壌外国語大学で英語教師を務めるかたわら、プロパガンダ映画に米国人役で出演していた。アブシャー氏とパリッシュ氏は北朝鮮で死去し、ジェンキンズ氏は曽我ひとみさんと共に日本に帰国したため、ドレスノク氏は「最後の脱走兵」と呼ばれていた。